呼吸が浅いと感じるとき。首・肩まわりの筋肉と試しやすいセルフケア
大きく息を吸おうとしても、途中でつかえるように感じることはありませんか。体がだるい、頭がぼんやりする、理由もなくイライラしやすい。そんな日を振り返ると、「そういえば呼吸が浅かったかもしれない」と気づくこともあります。
この記事では、呼吸を助けている首・肩まわりの筋肉と、張りを感じる場所から選べる 4 つのセルフケアを紹介します。
以下は一般的な参考情報であり、効果を断定するものや診療を行うものではありません。
急に息苦しさが強くなったとき、胸の痛みを伴うとき、じっとしていても息が切れるときは、セルフケアで様子を見ず、医療機関に相談してください。
呼吸を助けている首・肩まわりの筋肉
息を吸うときに主に働くのは、お腹と胸の間にある横隔膜です。ただし、呼吸に関わっているのは横隔膜だけではありません。
深く息を吸い込むときや、頭が前に出た姿勢が続いているときには、首や肩の筋肉も肋骨を引き上げることで呼吸を助けるとされています。
具体的には、首の前側にある胸鎖乳突筋 (きょうさにゅうとつきん)、首の前側から横側にかけての斜角筋 (しゃかくきん)、肩の上にある僧帽筋 (そうぼうきん) の 3 つです。
浅い呼吸や、画面をのぞき込む姿勢が長く続くと、胸鎖乳突筋や斜角筋のある首の前側から横側が張りやすくなります。食いしばりや心理的な負担が重なる時期には、肩の上にも力が入り続けやすくなります。
息を深く吸いにくいと感じるときに、胸やお腹ではなく、首や肩の張りが気になっていることもあります。
張っている場所から選ぶ
どこに張りを感じるかによって、取り入れやすい方法が変わります。
| 気になっている感じ | 選びやすいセルフケア | 動きと時間の目安 |
|---|---|---|
| 息を吸うと胸から上ばかりが動く | 「腹式呼吸」 | 4 秒吸って 6〜8 秒吐く呼吸を 5〜10 回 |
| 首の前側から鎖骨にかけて張る | 「胸鎖乳突筋つまみリリース」 | 位置をずらしながら各 5 秒 |
| 首の横が固く、頭を横に倒しにくい | 「斜角筋の 3 方向ストレッチ」 | 3 方向を各 20 秒、左右 |
| 肩がすくんだままに感じる | 「上部僧帽筋ストレッチ」 | 30 秒キープ、左右 |
いずれも道具を使わずに行えます。

息を吸うと胸から上ばかりが動くとき: 腹式呼吸
お腹の動きを意識しながらゆっくり呼吸し、首や肩に余分な力が入りにくい状態をつくることを目的とした呼吸法です。
仰向けになるか椅子に座り、片方の手をお腹に、もう片方の手を胸に置きます。鼻から 4 秒かけて息を吸い、お腹に置いた手が持ち上がるのを感じます。
口からは 6〜8 秒かけて、ゆっくりと息を吐きます。これを 5〜10 回繰り返します。吸うことよりも、ゆっくり長く吐くことを意識してください。
仕事の合間なら椅子に座ったまま、就寝前なら横になった状態でも行えます。
手の置き方や息を吐く長さは、 腹式呼吸のやり方を見る から確認できます。
首の前側から鎖骨にかけて張るとき: 胸鎖乳突筋つまみリリース
耳の下から鎖骨へ向かって伸びる首の前側の筋肉を指で軽くつまみ、首まわりの緊張をゆるめることをねらって行うつまみほぐしです。
顔を反対側に向けると、耳の下から鎖骨に向かって斜めに走る筋が浮き出ます。これが胸鎖乳突筋です。
親指と人差し指、または人差し指と中指で筋肉を軽くつまみます。耳側から鎖骨側へ少しずつ位置をずらしながら、それぞれの場所を 5 秒ほどつまんで離します。
スマートフォンを見る時間が長かった日や、長時間画面を見続けたあとにも取り入れられます。頸動脈洞過敏症 (首の動脈にある血圧のセンサーが敏感になっている状態) がある場合は行わないでください。
つまむ位置や、指を当てないほうがよい場所は、 胸鎖乳突筋つまみリリースのやり方を見る から確認できます。
首の横が固く、頭を横に倒しにくいとき: 斜角筋の 3 方向ストレッチ
顔の向きを変えながら、首の前側から横側にかけての斜角筋を伸ばすことを目的としたストレッチです。
椅子に座り、伸ばす側の手を腰の後ろ、または座面に置いて肩を下げます。反対側の手を側頭部に添えます。
その状態から、顔の向きを変えながら 3 方向に頭を倒します。
- 顔を正面に向けたまま、頭を伸ばす側と反対へ倒して 20 秒
- 顔を伸ばす側へ向けて、同じように頭を倒して 20 秒
- 顔を反対側へ向けて、同じように頭を倒して 20 秒
いずれも息を吐きながら、反動をつけずにゆっくり行います。肩は下げたまま保ち、反対側も同じように行ってください。
同じ首の横側でも、顔の向きによって張りを感じる場所が変わることがあります。3 方向それぞれで、どこに伸びを感じるか確かめてみてください。
首に急性のけがや痛みがある場合や、胸郭出口症候群 (首から腕へ向かう神経や血管が圧迫される病気) の急性症状がある場合は行わないでください。
顔の向きと頭を倒す方向の組み合わせは、 斜角筋の 3 方向ストレッチのやり方を見る から確認できます。
肩がすくんだままに感じるとき: 上部僧帽筋ストレッチ
肩の上にある僧帽筋をゆっくり伸ばし、肩がすくんだままになりやすい緊張をゆるめることをねらって行うストレッチです。
椅子に座り、伸ばす側の手を座面の縁、または腰の後ろに置いて肩を下げます。反対側の手を側頭部に添えます。
息を吐きながら、反動をつけずに頭を斜め前へゆっくり倒します。肩を下げた状態を保ったまま 30 秒キープし、反対側も同じように行ってください。
パソコン作業や運転の合間にも、椅子に座ったまま行えます。首に急性のけがや痛みがある場合は行わないでください。
肩を下げたまま頭を倒す動きは、 上部僧帽筋ストレッチのやり方を見る から確認できます。

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